ハコヅミを作る #45:公開のあとの道のりを決める(課金の時期、いいね、作らないと決めた機能)
前回(#44)に続いて、GitHub Actions の障害を待っているあいだの相談です。今回も、コードは書きません。
- 課金を、どの段階で作るか
- 「いいね」の形を決める
- コメント・チャット・DM を、作らないと決める
先の段階を、決めておく
#41 で、段階を組み替えました。ステップ3 が料理、ステップ4 がベータ版の公開、ステップ5 が共有です。共有は「ほかの人の情報を、見られる」までにして、人どうしがやり取りする機能は、その先に分けてあります。
その先は、名前だけがあって、中身がありませんでした。Issue を作るのはまだ先ですが、考えが止まっている今のうちに、たたき台を作っておきます。
「いいね」から始める
最初に決めたかったのは、「いいね」です。ほかの人が共有したギア・キャンプ・料理に、印を付けられるようにします。
自分で決めていたのは、1つだけでした。付けられるのは、前向きな「いいね!」だけ。低い評価や、「よくない」の印は作りません。趣味の持ち物や思い出に、点を付け合う場にはしたくないからです。
Claude Code に、たたき台を出してもらいました。それを見ながら、次のように決めています。
| 決めたこと | 中身 |
|---|---|
| 自分の共有には | 自分では付けられない |
| ギア | 1件ごとに付ける(共有する・しないは全体で切り替えるが、いいねはギア単位) |
| フリーと有料 | 差を置かない |
| 出すもの | 数だけ(誰が付けたかは、出さない。案の段階) |
水増しは、考えなくてよいか
たたき台には、「決めること」として、数の水増しの止め方が挙がっていました。何を心配しているのかを聞くと、こうです。
自分の共有には付けられないので、数を増やしたい人は、別のアカウントをいくつも作って付けるかもしれない。「いいねの多い順」の並びを作ると、上に出たいという動機が出る。将来、アフィリエイトを付けると、お金の動機も出る。
ここは、考えが違いました。
- 上に出たい、という欲はあると思う。ただ、そのために複数のアカウントを作る人は、まずいない
- アフィリエイトのリンクは、自分の「欲しい」の一覧の中に置くつもりでいる。ほかの人の共有を見て、自分の「欲しい」に入れ、そこから買う流れ
- その収益は、運営者(自分)に入る。共有した人には入らない
共有した人にお金が入らないなら、数を増やしても得がありません。そう伝えると、Claude Code は「お金の動機が出る、と書いたのは見立て違いだった」と認めました。
水増しへの対策は、考えないことにしました。考え直すのは、利用者に収益を分ける仕組みを作るときだけです。
AI の出すたたき台は、よくできています。ただ、「この仕組みで、誰にお金が入るか」のような前提は、こちらの頭の中にしかありません。前提を伝えると、心配ごとが1つ消えることがあります。
課金は、どこに置くか
次に聞いたのは、課金(有料会員)を、どの段階のあいだで作るか、です。
答えは、共有のあと、コミュニティ機能の前でした。
共有の前に作らない理由
- 今は、売るものが薄い。前回決めた差は、画像と料理の数、それに共有での「出す側の上乗せ」。共有ができる前だと、中身は「画像がもっと置ける」くらいしかない
- 上乗せの中身は、共有を作ってみないと決められない
- テスタへの約束が、減ってしまう。約束は「有料のプランを始めた日から1年間、無料」。中身が薄いうちに始めると、その1年を、価値の少ない時期に使わせることになる
- 急ぐ理由がない。費用がかかるのは画像だけで、フリーは 50 枚で止まる
3つ目は、自分では気づいていませんでした。早く始めるほど、テスタが損をします。
コミュニティ機能の前に作る理由
コミュニティ機能は、見張る仕事が増える段階です。その前に、「続けるための足し」が入る形にしておきます。どれくらいの人が払うかは、その先をどこまで作るかの、判断の材料にもなります。
前倒しする条件も、決めておく
「払ってもよいから、画像がもっと欲しい」という声がいくつも出たとき。画像の置き場の費用が、思ったより増えたとき。このどちらかなら、共有の前に入れます。
課金は Issue がいくつも要るので、1つの段階として番号を付けました。
| 段階 | 中身 |
|---|---|
| ステップ4 | ベータ版の公開 |
| ステップ5 | 共有(見るだけ) |
| ステップ6 | 課金 |
| ステップ7 | コミュニティ機能 |
| ステップ8 | 機能拡張(アフィリエイトなど) |
コメントやチャットは、有料の理由になるか
残りは、コメントとチャットです。ここは、自分に知識がありません。SNS を、あまり使わないからです。
引っかかっていたのは、「お金を払ってでも使いたい機能になるのか」でした。そのまま聞きました。
返ってきた結論は、ならない、です。
- やり取りの機能は、X や Instagram、LINE、Discord が、無料で、ずっと良いものを出している
- コメントを有料の人だけにすると、書く人が減って、場が静かになる。場の価値を、自分で下げることになる
コミュニティ機能は、収益の柱ではなく、「使い続ける理由」を足すものだ、と整理されました。そして、見張る仕事という費用がかかります。問うべきなのは、「有料にできるか」ではなく、**「1人で持てる重さか」**でした。
腹落ちしていなかったのは、問いの立て方が違っていたからでした。
3つの重さは、まるで違う
| 機能 | 重さ | 決めたこと |
|---|---|---|
| コメント(共有されたものに付く文) | 中 | 今は入れない |
| 公開のチャット(自由な会話の場) | 重い | 作らない |
| DM(個人どうし) | とても重い | 作らない |
公開のチャット
人が少ないと、逆効果になります。誰も書いていないチャットは、「誰もいない」と見せるだけです。常に見張る必要もあります。すぐ届く会話のための仕組みも、新しく要ります。
場が欲しくなったら、外のサービスに作って、リンクを置けば足ります。
DM
ほかの人から見えない場所は、いちばん荒れます。嫌がらせや勧誘が来ます。
さらに、運営者が中身を見られるかを、決めなければなりません。見られるなら、プライバシーポリシーに書く、重い約束になります。見られないなら、通報されても確かめられません。
利用者どうしの非公開のやり取りを仲立ちすると、法律上の届け出が要る可能性もある、とのことでした(ここは、まだ確かめていません)。
コメント
作るなら、絞った形になります。持ち主が受け付けるかを決める、文だけで短く、URL は書けない、通報とブロックがある。
形は見えましたが、今は入れないことにしました。声が多く出たら、考え直します。
代わりに、プロフィールに SNS のリンクを置く
DM の代わりに、もらった案がありました。プロフィールに、自分の SNS のリンクを置けるようにする。
これなら、どうしても聞きたいことがある人は、その SNS で連絡できます。やり取りは、ハコヅミの外で起きます。中身を預からないので、見張る仕事も、中身を見られるかどうかの約束も、持たずに済みます。
連絡が来るのが嫌な人は、リンクを置かなければよい。置いたあとで嫌になったら、消せばよい。本人の判断に任せられるのが、気に入りました。
ハコヅミの側に残る責任は、リンクを載せているプロフィールそのものです。好きな URL ではなく、決めた SNS のアカウントだけにする。プロフィールも通報の対象にする。この2つを、案として足してあります。
もっと軽くて、合うもの
コメントの代わりに、2番目に入れることにしたのは、フォローです。
気になる人をフォローすると、その人が新しく共有したものが、自分の一覧に出ます。文を書かせないので、見張る仕事が増えません。「また開く理由」にもなります。
これで、ステップ7 は「いいね」と「フォロー」の2つだけの、軽い段階になりました。
おわりに
- 先の段階も、名前だけにせず、たたき台を書いておく。考えが止まっている時間の、よい使い道になる
- AI のたたき台の心配ごとは、こちらの前提を伝えると消えることがある。「誰にお金が入るか」は、こちらにしか分からない
- 課金を始める時期は、「売るものがあるか」と「約束した人が損をしないか」で決める
- 腹落ちしないときは、問いの立て方を疑う。「有料にできるか」ではなく、「1人で持てる重さか」だった
- 作らない、と決めるのも、設計のうち。外のサービスに任せられるものは、任せる
次回は、障害が明けて、料理の登録の画面を直します。