ワダチを作る #31:使いたい機能がそろったので、開発をいったん止める

前回(#30)で、タイマーだけの習慣と、Safari の線の直しを本番に出しました。これで、自分が使いたい機能は、ひととおりそろいました。

そこで、ワダチの開発は、ここでいったん止めることにしました。

  • 10 日で、ここまで来た
  • ワダチで作ったもの
  • 経験として大きかったこと
  • これからは、テスタの募集を続ける
  • 次の企画「カナエ」へ

10 日で、ここまで来た

ワダチは、10 月 20 日に企画を始めました。次の日に開発を始めて、その日のうちに本番に出しています。そこから 10 日たった今の数字です。

  • マージした PR:187
  • 閉じた Issue:113
  • コミット:343
  • データベースの変更(マイグレーション):22
  • 画面の動きを確かめる自動テスト(E2E)のファイル:64
  • コード(TypeScript と Svelte):約 2.7 万行
  • この連載:#1〜#31

1 つ目のサービス「ハコヅミ」で積んだ経験のおかげで、とてもスムーズに進みました。そのことも、あとで書きます。

ワダチで作ったもの

ワダチは、毎日の習慣の記録を 1 か所にまとめる、習慣トラッカーです。いちばん大事にしたのは、連続日数を主役にしないことでした。「途切れた」ことを数字で見せず、休んだ日があっても、積み上がった跡は消えない、という考え方です。

スマホの幅のワダチのトップページ。上にバナー、その下に「習慣の記録」「習慣の登録」「積み上がり」「タイマー」の 4 つのメニューが、絵のアイコンで並んでいる

トップページのメニュー

  • 習慣の記録:毎日・曜日指定・週◯回の習慣に、「やった」を付ける。休んだあとに付けると「4 日ぶりです。また始めましたね」と迎える
  • 積み上がり:直近 7 日・30 日、通算、習慣化の目安(66 日)までの積み木、やった日のカレンダー
  • タイマー:瞑想のための、開始と終わりの鐘・環境音。ポモドーロ、途中の鐘、60 分まで、記録しない「タイマーだけ」の習慣も
  • シーン:タイマーの後ろに、動く絵と曲を流す。一日・四季・自然の 12 のシーン
  • マルチユーザーと課金の仕組み:Google のログイン、招待制、退会・データの書き出し、Stripe の有料プラン(仕組みは本番に入れてあり、鍵を入れれば始められる)
12 枚の風景の絵が、4 枚ずつ 3 段に並んでいる。上の段は、朝・昼・夕方・夜の町。まん中の段は、桜の川辺・夏の田園・紅葉の道・雪原。下の段は、清流・雨の池・雲海・花畑

タイマーのシーン(一日・四季・自然)

経験として大きかったこと

AI で作った絵に、動きを付ける

シーンの絵は、ChatGPT で作りました。その絵に、ブラウザの中で動きを付けています。水や光、雲、霧を揺らし、雨や花びら、雪を描き足しました。

いちばんの学びは、絵に描いてある木や花そのものを動かすと、不自然に見えることです。何度か試して、描き足したものと、水・光・雲・霧だけを動かすのが、いちばん自然だと分かりました。見本を画面で見ながら、少しずつ直していく進め方も、身につきました。

AI で曲を作る(Suno)

12 のシーンの曲は、曲を作る AI の Suno で作りました。有料版を 1 か月だけ契約し、使ってよい条件(有料のあいだに作った曲は、解約したあとも商用で使える)を確かめてから作りました。

12 曲がばらばらにならないよう、全曲ピアノを軸にして、シリーズごとに楽器を添えています。曲そのものより苦労したのは、くり返して流すときの継ぎ目でした。終わりを頭に重ねると、曲が途中から始まったように聞こえてしまいます。頭は出だしのまま、終わりは響きが消えるまで流して、一息おいてから頭に戻す形に落ち着きました。

絵、動き、曲。どれも、これまでの開発ではやったことのないものでした。AI を使えば、1 人でもここまで作れる。そう分かったのが、ワダチでいちばん大きな収穫です。

Stripe は、ハコヅミの経験がそのまま活きた

有料プランの課金は、ハコヅミで一度作っていました。そのため、作る前から、何が必要かが分かっていました。

  • Stripe からの知らせ(Webhook)を受ける仕組み
  • 申し込み、解約、支払いの失敗、休止
  • 退会や凍結のときに、Stripe の側も止めること
  • 利用規約とプライバシーポリシーの改定
  • 自動テストのための、Stripe の代役

これを Issue に分けて、そのとおりに作れました。Stripe のテスト環境でつまずくところも、前の経験で分かっていました。

開発の流れを、引き継げた

開発の進め方も、ハコヅミから引き継いでいます。

  • Claude Code への指示書(CLAUDE.md)
  • Issue を作る・実装するスキル
  • Issue のテンプレート
  • テストとデプロイの自動化(CI)
  • 進み具合を管理するボード

これらを最初に写したので、テストとデプロイの流れが、初日から回りました。開発を始めたその日に本番に出せたのは、このおかげです。2 つ目のサービスを作ってみて、1 つ目で作った仕組みが、思っていた以上に効きました。

ほかに学んだこと

  • iPad のホーム画面に追加したアプリでは、画面をロックすると、Web Audio の音が止まる。<audio> で流す作りに変えた
  • Safari では、canvas の filter(ぼかし)が効かない(#30)
  • Cloudflare の無料の枠(データベースの読む行の数、1 回の処理の時間)を気にした作り

これからは、テスタの募集を続ける

開発は止めますが、ベータ版のテスタの募集は続けます。まだ応募はありませんが、X やコミュニティで、動画を付けて紹介を始めたところです。

ハコヅミ(キャンプの道具の管理)は、季節がら、本番は来年の春からです。なので、この冬は、ワダチのテスタの募集を優先します。

有料プランの公開は、テスタの声を聞いてからにします。有料にする機能(シーンやポモドーロなど)が、本当にお金を払う価値があると思ってもらえるかを、先に確かめたいからです。

使ってみたい機能の案も、1 つ残しておきます。人と競い合うのではなく、伴走して一緒に続ける共有の機能です。どんな形にするかは、まだぼんやりしているので、テスタの声を聞きながら考えます。

次の企画「カナエ」へ

次は、3 つ目のサービス「カナエ」の企画に移ります。

カナエは、バケットリスト(やりたいことのリスト)のサービスです。私がバケットリストを作ったのは、去年(2025 年)の 12 月でした。少しでもやりたいと思いついたことを、メモとして Notion にまとめています。2026 年からは、定年後にやろうと思っていたことも前倒しして、叶えるようにしています。使っていて不満もあるので、ハコヅミ・ワダチと同じく、まず自分が欲しいものとして作ります。

名前は、「叶える」から取りました。ハコヅミ(箱積み)、ワダチ(轍)と並べても、同じ作りの名前です。

ちなみに、ハコヅミとワダチを作ったこの 1 か月は、バケットリストで「3 年後に実現したい」と書いていた、「個人開発者」の姿そのものでした。

カナエは、これまでより、ゆっくり作るつもりです。ブログも、毎日の開発記録ではなく、企画で考えたことや、迷ったこと、諦めたことも書きながら、ペースを落として続けます。新しい連載「カナエを作る」も、よろしくお願いします。

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